ザッハトルテといえば、まさに世界で一番有名なチョコレートケーキ。日本でもドイツでも、本当にたくさんの方に愛されていますよね。

motomoneのブログやYouTubeチャンネルでも何度かレシピと作り方をご紹介しているのですが、視聴者の方から「作ってみたけれど、とても難しかったです💦」というご意見をいただくことがよくあります。
実際、ザッハトルテを完璧に美しく作るのは本当に難しいんです。表面のフォンダン(糖衣)がうまく固まらずに何度も失敗した経験があります。
そこで今回は、少し視点を変えて、作り方ではなく「ザッハトルテの背景・起源・歴史」について詳しく書いてみたいと思います。ケーキに秘められたドラマやロジックを知ると、食べるのも作るのも、もっともっと楽しくなりますよ!
この記事では、
- ザッハトルテの本当の特徴と、名前の秘密
- 見習い料理人が生み出した奇跡の起源
- デメルとホテル・ザッハーが争った「甘い戦争」の歴史
を詳しく解説します。ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
※本ページはプロモーションが含まれています。
ザッハトルテの本当の特徴と「名前の秘密」
ザッハトルテを一言でいえば、王道のチョコレートケーキです。
オリジナルのザッハトルテには、
- ザッハ生地(チョコレートを練り込んだバターケーキ)
- アンズ(アプリコット)ジャム
- チョコレートのフォンダン(シャリッとした糖衣)
という3つの大きな特徴があります。
「では、この特徴を満たしていないケーキを『ザッハトルテ』として売るのは違法なの?」と疑問に思うかもしれません。
実は現在、「ザッハトルテ」という言葉自体は一般的な名称となっており、発案者のフランツ・ザッハーの死後100年以上が経過しているため、商標として保護されていません。
そのため、「ザッハトルテ」という名前でケーキを販売すること自体は違法ではないんです。
(※ただし、「オリジナル・ザッハトルテ」と名乗ると問題になってしまいます)
こういった事情もあり、日本でもコンビニスイーツからパティスリーまで、意外と広い範囲で「ザッハトルテ」という名前が使われているんですね。
ドイツのザッハトルテ事情
同じような事情から、ドイツの街角のカフェやパン屋さんで見かけるザッハトルテも、オリジナルの特徴を満たしていないものがほとんどです。
よくあるのは、チョコレート生地の間にガナッシュ(生チョコ)やバタークリームを挟み、上からチョコレートをかけて、表面に「Sacher」や「S」と描いたものです。
ですので、ドイツでザッハトルテを食べる時は「オリジナルのシャリシャリしたフォンダン」を期待しすぎず、「美味しいドイツ風のチョコレートケーキ」として楽しむのがおすすめです。

本場のオリジナルと同じだと思って食べると、少しがっかりしてしまうかもしれません💦

見習い料理人が生んだ奇跡!ザッハトルテの起源
ザッハトルテの原型が生まれたのは、今から約200年前の1832年のことです。
当時、オーストリアのクレメンス・メッテルニヒ侯爵は、大切な来賓を迎えるにあたり、厨房に「特別なデザートを作るように」と指示を出しました。ところが、担当の料理長がなんと急病で休んでしまったのです。
そこで急遽、デザートを任されたのが、まだ見習い2年目だったフランツ・ザッハーでした。彼が知恵を絞って作り上げたチョコレートケーキは来賓客から大絶賛され、翌日にはウィーン中の話題になったといいます。
現在の形にしたのは次男のエドゥアルト
しかし、私たちが知る今のザッハトルテの形を完成させたのは、フランツの次男であるエドゥアルト・ザッハーだと言われています。
彼は、現在でも有名な宮廷御用達パティスリー「デメル」で修行をしており、その期間中に現在のレシピを練り上げました。後に彼が「ホテル・ザッハー」を開業すると、そこで本格的に提供されるようになったのです。

デメルはウィーンで現在でも営業しているパティスリーです。昔、ウィーンを訪れたときに行ったことがあります。
7年に及ぶ甘い闘い「ザッハトルテ戦争」
ザッハトルテのレシピは、長い間「門外不出の秘密」とされてきました。
しかし、エドゥアルトの妻であるアンナが亡くなった後、ホテル・ザッハーが財政難に陥ってしまいます。その際、資金援助を申し出たデメルに対し、「エドゥアルト・ザッハー・トルテ(=オリジナルザッハトルテ)」を独占販売する権利を譲渡してしまいました。
その後の経緯を年表で見てみましょう。
- 1938年:
- ホテル・ザッハーの新しいオーナーが方針を変え、「オリジナル・ザッハトルテ」の商標登録を主張
- 1954年:
- 第二次世界大戦を経て、ホテル側がデメルを相手取り、製造・販売の差し止めを求める訴訟を起こす
- 1963年:
- この裁判は長期化し、ようやく「ホテル・ザッハーにもデメルにも、それぞれの名称でザッハトルテの販売を認める」という判決が下りました。
こうした複雑な経緯から、デメルとホテル・ザッハーの間には長年にわたる因縁が生まれ、後に「ザッハトルテ戦争(7年戦争)」とも呼ばれるようになります。(※「7年」という数字は伝承によって多少幅があるようですが、それだけ長期にわたる対立だったということですね。)
ただし名称には明確なルールが設けられました。
和解後の名称ルール
- ホテル・ザッハー:「オリジナル・ザッハトルテ」
- デメル:「エドゥアルト・ザッハー・トルテ」
ちなみに、ケーキの構成にも違いがあり、ホテル・ザッハーのものは「生地の間にもアンズジャムを挟む」のに対し、デメルのものは「間に挟まず、生地の表面(上部)にだけジャムを塗る」という特徴があるそうです。

おうちで挑戦!motomoneのおすすめザッハトルテレシピ2選
motomoneのYouTubeチャンネルでは、オリジナルの特徴に限りなく近づけた本格的なレシピと、少し珍しいホワイトチョコレートのアレンジレシピをご紹介しています。
① 本格的なザッハトルテ

難易度★★★★★
オリジナルの特徴を満たしつつ、おうちのキッチンでも作りやすいように改良した本格レシピです。シャリッとしたフォンダンの掛け方など、動画でわかりやすく丁寧に解説しています。
▶ 動画を見る(YouTube) / 📄 レシピ記事はこちら
② 真っ白なホワイトザッハトルテ

難易度★★★★★
通常はビターチョコレートを使うザッハトルテを、ホワイトチョコレートを使って雪のように真っ白に仕上げたアレンジレシピです。中には甘酸っぱいいちごジャムを忍ばせています。作り方はオリジナルを踏襲しているので、こちらも難易度は高めです。
▶ 動画を見る(YouTube) / 📄 レシピ記事はこちら
まとめ:歴史を味わう特別なチョコレートケーキ
今回は、世界的に有名なザッハトルテの歴史や背景についてまとめてみました。

実は以前、妻とウィーン現地でオリジナルのザッハトルテを買って食べたことがあります。 職人としての正直な感想を言うと…「すごく美味しくて感動した!」という感じではありませんでした(笑)。
世界的にあまりにも有名なケーキなので、期待値が高すぎたのかもしれません。
ですが、間違いなく深い歴史とロマンがあり、「一度は食べてみる価値のある素晴らしいケーキ」であることは確かです。もしウィーンやドイツを訪れる機会がありましたら、ぜひ現地のカフェでその歴史を味わってみてくださいね!
── おうちのキッチンに、本場ドイツの確かな技術を。
motomone bakingでは、ブログの無料記事に加えて、より深いお菓子・パン作りを楽しみたい方に向けた「有料レシピ集(PDF版・解説動画付き)」を販売しています。
レシピの分量だけでなく、実際に何度もキッチンで試して見つけた細かなコツや、失敗を防ぐための見極め方まで丁寧にまとめました。無料記事と有料レシピ集の違いは、以下の通りです。
| 無料ブログでできること | 有料レシピ集で得られること |
| ・おうちで気軽に試せるレシピ ・全体の流れがわかる丁寧な手順 | ・失敗を防ぐための「見極めポイント」 ・ひと目でわかる解説動画付き ・キッチンで見ながら作れる印刷用PDF |
決済には安心・安全なシステム(Stripe、Gumroad)を利用しており、購入手続き完了後はその場ですぐにご覧いただけます。混ぜ方のタイミングや生地の固さに迷わず、自信を持って美味しいパンやお菓子を焼き上げたい方は、ぜひ以下のリンクからお好きなレシピを見つけてみてくださいね。

コメント