オーストリア・ウィーンにあるホテル・ザッハーの名物菓子です。世界的にも有名なチョコレートケーキで、中にアプリコットジャムが入ったシンプルな作り方です。
この本家オリジナルのレシピは門外不出と言われています。しかし、ウィーンのデメルというパティスリーにレシピが渡り、レシピ公開を巡って長い裁判が起こりました。
結果としてホテル・ザッハーが勝利し、その本家のレシピは現在非公開となっています。
そのお家騒動については、オーストリア政府観光局公式サイトより、こちらのリンクをご参照ください。
ザッハートルテは1800年代に誕生しましたが、その美味しさや美しさから、現在までに多くの人を魅了し続けています。現在も本家のザッハートルテをまねて作ったレシピや作り方がたくさんあります。
本家のザッハートルテを食べた感想ですが…
・重くてずっしり
・甘くてアプリコットジャムがよく効いている
・チョコレートも濃厚
一緒にエスプレッソや濃いブラックコーヒーが合うかなと感じました!
僕のレシピで、食べやすさと本格的な作り方のバランスを重視しました。アプリコットジャムを活かしつつ、チョコレートもビターチョコレートを使用して甘さを控えめに。そして本家のような美しいフォンダンと、しっとりした上品さを実現させているレシピです!
レシピ動画
※追記・ポイント要チェック!※
今回動画を見直し、補足としてポイントを改めてまとめてみました!必ず前もって、ご一読ください!
<ポイント>
- 最初生地作りで、無塩バターをハンドミキサーで混ぜます。予め無塩バターは室温に戻しておくか、レンジで温め柔らかくしておいてください!
- 生地作りでの卵白(メレンゲ)の泡立てを、ハンドミキサーの高速でしっかり泡立てて下さい。そうすると、焼きあがった後にフワフワの生地になります。
- メレンゲと生地をゴムベラで混ぜるときは、ダマが残らないよう、優しくすくうように混ぜつつ、しっかり全体が混ざるようにしましょう。
- 2枚に切ったケーキを重ねて、全体にアプリコットジャムを塗る前に、側面がきれいに重なっているのかを確認しましょう。 へこみやズレがあると、フォンダンをかけた後に綺麗に見えないので注意です。
- フォンダンを作るときの砂糖水は、鍋に入れたらかき混ぜずに、必ずそのままの状態で、よく沸騰させて下さい。
かき混ぜると空気が入ってしまい、砂糖が白っぽくなって固まってしまいます。
そのあとチョコレートを3回に分けて加えますが、その都度よくかき混ぜて下さい。綺麗でつやのあるフォンダンになります!
※フォンダンはグラサージュしやすいよう、多めの分量にしています。 - フォンダンが固まる前にケーキを動かすと、ひびが入ってしまうことがありますので、気を付けましょう。
- ケーキを切る前に、深めの器にお湯を入れ用意しておきます。そこにナイフを入れて水気を拭いた後にケーキを切ると、綺麗に切れます。
ポイントが多すぎる…
ザッハトルテの本格的な作り方になるので、ポイントは多めです…でもゆっくり、ひとつずつ丁寧にクリアしていくと、ザッハトルテが作れます!!
材料
- 生地作り
45g | ビターチョコレート (製菓用クーベルチュール) |
20ml | 生クリーム |
65g | 無塩バター |
25g | グラニュー糖/砂糖 |
ひとつまみ | バニラパウダー (省略可) |
ひとつまみ | 塩 |
3個 | 卵 |
30g | グラニュー糖/砂糖 (卵白・メレンゲ用) |
52g | 薄力粉 |
8g | ココアパウダー |
- ジャム作り
250g-300g | アプリコットジャム |
大さじ2 | 水 |
- フォンダン作り
130ml | 水 |
160g | グラニュー糖/砂糖 |
100g | ビターチョコレート (製菓用クーベルチュール) |
- 直径15㎝のホールケーキ型に、底の部分のみ一回り大きいクッキングシートを敷く
- 調理温度計
- ビターチョコレートを予め溶かすために細かく切っておく
- 無塩バターを室温に戻すか、レンジで温め柔らかくしておく
生地作り~焼く
- ビターチョコレート、生クリームをボウルに入れて、電子レンジの解凍プログラムで約2分、レンジで温め溶かしておく
- 別のボウルを用意し、柔らかくしておいた無塩バター、砂糖、バニラパウダー、塩を加えて、ハンドミキサーで白くなるまでよく混ぜる
バニラパウダーは無い場合省略可能です!
- 卵3個のうち、卵黄のみ加え、ハンドミキサーで引き続き混ぜていく
※3個一気に加えず、一個ずつ加える
一気に入れるとバターと水分が分離するため、一個ずつ入れましょう
卵白は後ほど使用するので、別のボウルに入れておく - 3個卵黄を入れてよく混ざったら、レンジで溶かしたチョコレートを全て加え、ハンドミキサーでよく混ぜる
ここでは混ざりきることが目的なので、ハンドミキサーは中速でも高速でもどちらでもOKです
- 別のボウルに入れておいた卵白3個分をハンドミキサーで泡立て(高速)、メレンゲを作っていく
- 砂糖も3回に分けて入れる
一気に入れると泡立ちにくくなるので、分けて入れます! - 角がしっかり、ピンと立つまで泡立てる
高速で泡立て続けることで、ふんわりしたメレンゲになります
- メレンゲを、先ほど作ったチョコレートのボウルに3回に分けて加え、ゴムベラでよく混ぜる
1回目はゴムベラもしくは泡立て器でよく混ぜてOK
2回目3回目は、ゴムベラで下からすくうように、混ぜる
一気に加えるとメレンゲがつぶれてしまうので、3回に分けて入れます!
生地がダマにならないよう、完全にきちんと混ざりきるように気を付けながら、全体的に優しくすくうように、混ぜてみてください!
- 薄力粉、ココアパウダーをこして加え、混ぜる
メレンゲの中の空気をつぶさないように、下からすくうように混ぜる
生地がフワッとなり、よく膨らみます! - 型に入れる
焼けるとバターが溶けて平らになるので、そこまで表面が綺麗に平らになっていなくてもOK - 180度の予熱したオーブンで25分から30分焼く
焼いた後に真ん中に竹串をさして、ドロドロした生地がくっつかなければ、しっかり焼けたサインです!
ケーキを切る
- ケーキクーラーを上にのせ、ひっくり返す
- この状態で粗熱が取れるまで待つ
- 粗熱が取れたら再びひっくり返す
- ナイフを使って側面に切り目を入れる
ナイフの刃ではない反対の部分を使用すると、ケーキの型が傷つかないのでオススメ
- 再びひっくり返して、型とクッキングシートを取り外す
- 取り外した後、側面を手で少しこすってボロボロ落ちる生地の部分を取り除く
こうすることで、仕上げでフォンダンをかけた際に、綺麗なフォルムのケーキになります!
- 生地を横に半分に切る
【まっすぐに切るコツ】
上半分よりも、下半分を意識!下の方を注意しながら、均一に平らになるよう、ケーキを回しながらナイフを進めると、まっすぐ切れます!
ジャムを塗る
- アプリコットジャム、水を鍋に入れて、かき混ぜながら沸騰させる
- 沸騰したら火からおろし、丁寧にこす
手間がかかる作業ですが、こうすることでケーキに塗りやすくなり、固まりやすくなります!
- こし器に残ったジャムはフィリングとして使用、ケーキに塗る
- 平らにした後、刷毛でこしたアプリコットジャムを更に重ねて塗る
- 上のケーキ部分を重ねる
側面にへこみ・ズレがあると、仕上げでフォンダンをかけた際に綺麗にならないので注意
微調整して綺麗に重ねてください! - 表面、側面、全体にジャムを刷毛でたっぷり塗る
多く塗った方が味が染みるのでオススメ - 20分室内で乾燥させる
フォンダン作り
- 鍋に水と砂糖を入れて沸騰させる
鍋に入れたままかき混ぜず、そのままの状態で沸騰させてください!かき混ぜてしまうと、空気が入りフォンダン作りが失敗してしまう原因になります - 強火で約5分そのまま煮詰める
ここで温度が低いとよく固まらないので、強火をキープ!
105度から109度が理想です(調理用温度計でチェックしてください) - 5分後、火からおろして5分ほど冷ます
- 冷ました後ビターチョコレートを3回に分けて加え、泡立て器でよく混ぜる
一気に入れると温度が下がりすぎて、チョコが溶けなくなるので注意! - よく混ぜたあと、こす
- こした後にゴムベラで混ぜる
もしフォンダンが固めだった場合、大さじ1の水を加えて緩めにしてもOKです
仕上げ
仕上げの前に、ケーキクーラーにケーキを乗せておきます。
そしてその下にクッキングシートなど、汚れても良いものを予め敷いておきます。
そうすることでフォンダンを上からかけ流した後の後片付けが楽になります!
- フォンダンをケーキの真上から全体にかける
※クッキングシートについた余ったフォンダンは、フルーツにつけて食べるなど、再利用もオススメです。
- 表面のフォンダンを側面に落とすイメージで、表面をヘラなどで平らにする
- 表面が綺麗に平らになったら、ケーキクーラー自体をたたいたり、揺らしたりして、余計なフォンダンを落とす
叩くことで表面が綺麗に平らになります! - 表面が平らになったら、この状態で約10分置く
- 10分後、フォンダンがある程度固まっていたら、盛り付け用の食器に移す
- その後風通しのよい場所で約1時間、完全にフォンダンが固まるまで待つ
参考…我が家は室温20℃、湿度40%で約1時間たつと固まりました!
でも室内の状況で固まる時間は変わります - 綺麗に固まったら完成
完成
アプリコットジャムの酸味とビターチョコレートの甘さが控えめな味わいが、上品です。
あえて表面はデコレーションせず、本家のようなシンプルなデザインにしました。またウィーンではよく無糖の生クリームを添えて食べます。生クリームを付けるとコクが増し、違う美味しさが味わえます!
丁寧に作業を行うことで、ふっくらしっとりしたチョコレートケーキになります。
ぜひご自宅でウィーンのカフェに来た気分をお楽しみください!
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