クリスマスマーケット(ドイツ語ではWeihnachtsmarkt/ヴァイナハツマルクト)を歩いていると、あちこちの屋代から、いい匂いが漂ってきます。燻りアーモンドのお店、クレープ屋さん、ワッフル屋さん…そのどの店も使っている香辛料の一つがシナモンです。

シナモンはクリスマスの時期にはかかせない香辛料の一つですね!
ドイツ語で Zimt(ツィムト) と呼ばれるシナモンは、パンやお菓子、ホットワインに欠かせないスパイスです。ドイツでは特に秋から冬にかけて使用頻度が高まり、クリスマスを象徴する香りとして親しまれています。
本記事では、シナモンの歴史や種類、ドイツ語での呼び方、料理やお菓子での使い方、健康効果や注意点までをまとめました。
<結論:シナモン>
ドイツの冬にはかかせない基本の香辛料のひとつ!
シナモンとは?
シナモンは、クスノキ科の常緑樹の樹皮を乾燥させて作られる香辛料。日本語では「ニッケイ(日桂)」と呼ばれ、最も古くから知られるスパイスのひとつです。
最も古くから知られている香辛料のひとつで、かつて大航海時代にコロンブスやバスコ・ダ・ガマが、インドへの海路を求めて出発した理由のひとつでもある、というのは有名なお話ですよね。
香辛料は当時、防腐剤として使われるなど、とても貴重で高価なものでした。そのスパイスを求めてポルトガルやスぺインを筆頭に、ヨーロッパでは香辛料の争奪・開拓が始まりました。
使用方法は多岐にわたりますが、ヨーロッパでは主にお菓子、デザート、パンやホットワインなどに用いられます。
一方インドでは食事に用いられ、カレーに使用したり、肉料理、米を使った料理によく使われます。
現在では世界中で栽培され、手軽に入手できる人気スパイスになっています。
シナモンを使ったホットワインの作り方はコチラ!
セイロンシナモンとカシアシナモン
市場に出回っているシナモンは大きく分けて セイロンシナモン と カシアシナモン の2種類があります。
種類 | 特徴 | 香り・風味 | 主な流通 |
---|---|---|---|
セイロンシナモン | スリランカ原産、色が明るめ | 甘くマイルド | 高価、ドイツでも一部流通 |
カシアシナモン | 中国・ベトナムなどで栽培 | 濃い色、香りが強い | 一般的に多く流通、価格も手頃 |
ドイツのスーパーで見かけるのは主にカシアシナモン。セイロンシナモンは少し高価ですが、風味がやさしくクマリン含有量も少ないため、健康面から選ぶ人もいます。
昔ポルトガル人がスリランカのセイロン島を征服した際にシナモンを発見した、と言われています。その後オランダ人が権力を握り、シナモンに関して販売の権利を独占しました。例えば自分の庭でシナモンの木を栽培するのも、当時は死刑に値する罪に問われていたそうです。
やがてイギリスがこの島を制圧すると、オランダはシナモンの栽培をインドネシアに移しました。これにより現在販売されている2種類のシナモン、セイロンシナモンとカシアシナモンが生まれた、といわれています。
どちらの種類も作り方は同じで、まだ若木の枝を落とし、皮を剥いて、樹皮をはがして乾燥させます。この乾燥の工程で、丸まって典型的なシナモンの形になります。
もともとはインドとセイロン島で栽培されていましたが、現在ではそのほかの地域でも栽培されています。特に中国産やベトナム産が多いです。
シナモンのドイツ語表現
- Zimt(ツィムト):シナモン
- Zimtpulver(ツィムトプルバー):シナモンパウダー
- Zimtstange(ツィムトシュタンゲ):シナモンスティック
スーパーやクリスマスマーケットでよく目にする単語なので、覚えておくと便利です。

シナモンの使い方
シナモンは、粉末とスティックで使い分けるのが基本です。
- パウダー(Zimtpulver)
- ケーキやクッキーの生地に混ぜる
- フィリングやクリームに加える
- パンやドーナツにトッピングする
- スティック(Zimtstange)
- コンポートやジャム作り
- ホットワイン(Glühwein)、チャイ、アップルサイダー
- 肉料理や煮込み料理の香りづけ
ドイツの冬に人気の「焼きアーモンド」や「ワッフル」にも欠かせない存在です。

シナモンの効果と注意点
健康効果(期待されるもの)
- 胃を落ち着かせ、消化を助ける
- リラックス効果
- 抗菌作用による風邪予防
- コレステロール値を下げる働き
シナモンには胃を落ち着かせ、リラックスさせる効果があります。消化にもいいようで、重いものを食べたときにはデザートにシナモンの効いたものもいいかもしれません。
さらにコレストロール値を下げる効果があり、殺菌作用もあるので風邪の予防にも役立ちます。
注意点
- シナモンには クマリン という成分が含まれており、大量摂取すると肝臓に悪影響を及ぼす可能性があります。
- カシアシナモンに多く含まれ、セイロンシナモンはごくわずか。健康面を気にする人はセイロンを選ぶのがおすすめです。
- 妊娠中の方は特に摂取量に注意し、心配な場合は医師に相談してください
シナモンを大量に一度に摂取するのは、健康的にあまりよくありません。クマリンという成分が含まれていて、これは肝障害を引き起こす可能性があります。このクマリンはカシアシナモンに多く含まれていて、セイロンシナモンはごくわずかです。もしクマリンが気になるようだったら、積極的にセイロンシナモンを使用するようにしましょう。
このクマリンは妊婦さんにもよくないので、あまり大量に摂取せず、もしもの場合はお医者さんに相談するなどして、気を付けてください。
まとめ
- シナモン(Zimt)はドイツの冬を代表する香り
- セイロンとカシアの2種類があり、風味や価格に違いがある
- お菓子・パン・ドリンクなど幅広く活用できる万能スパイス
- 適量なら健康に良い効果も期待できるが、摂りすぎには注意
シナモンを少し加えるだけで、ケーキやパンは一気に「クリスマスの味」に変わります。ドイツの冬を味わいたい方は、ぜひベーキングやドリンク作りに取り入れてみてください。
👉 僕のYouTubeでもシナモンを使ったレシピを紹介しているので、よかったらチェックしてみてください!
参考文献



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