ドイツ小麦粉物語⑤【ライ麦粉編】

ドイツ生活
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ライ麦はドイツでよく使用される穀物の一種で、多くのドイツパンの大切な材料の一つです。たいていの場合、サワー種というパン種と一緒に焼きます。小麦を使ったパンより重量感があり、どっしりしていて、独特の酸味があるのが特徴です。

<結論:ライ麦粉とは>
栄養価に優れた、小麦と並ぶドイツパンには欠かせない穀物の一つ

言葉の意味

Roggen(ロゲン)はライ麦をさし、Roggenmehl(ロゲンメール)はライ麦粉、を意味します。

通常ライ麦を多く使用しているパンは、ドイツではSchwarzbrot(シュバルツブロート)、黒パンと呼ばれています。

ライ麦粉の番号

997、1150、1370番がドイツでは販売されています。

これも小麦粉と同じく、ミネラルの量を示しています。ドイツの小麦粉の番号に関しては、ドイツ小麦粉物語【番号編】を参照してください。

ライ麦粉 タイプ1150

使用方法

ライ麦はドイツパンの多くのレシピに使われています。ライ麦にはアミラーゼという消化酵素が含まれており、これはアミロースというでんぷん質を分解する効果があります。

パン作りにおいて、でんぷん質が少なくなるのは好ましくありません。そこでライ麦を使用するレシピでは大体、サワー種というパン種が使用されます。サワー種にはライ麦の分解作用を弱める効果があります。

ドイツではライ麦100%というパンは実はあまりありません。ライ麦のみ使用するパンはグルテンを形成することができなく、生地も扱いにくいためです。そのためライ麦パンと呼称されるパンでも10%までの小麦粉の使用が許可されています。この比率によってパンの名称が変わります。

  • Roggenbrot(ロゲンブロート)
    • ライ麦比率90%以上、小麦10%以下
  • Roggenmischbrot(ロゲンミッシュブロート)
    • ライ麦50%以上90%未満、小麦10%以上50%未満
  • Weizenmischbrot(ヴァイツェンミッシュブロート)
    • ライ麦10%以上50%未満、小麦50%以上90%未満
  • Weizenbrot(ヴァイツェンミブロート)
    • ライ麦比率10%以下、小麦90%以上

栄養価

ライ麦は食物繊維を多く含み、便秘の解消や腸内環境を整える効果があります。また小麦に比べて噛み応えのあるパンが多く、咀嚼回数が増えるため満腹感が増すという効果があります。そのため少ない量でも満腹感を得られるため、ダイエットにもいいと言われています。

ダイエットにもオススメのパンがあるなんて、嬉しい…!

通常、パンは食べた後血糖値を急に上昇させますが、ライ麦パンはその上昇を緩やかにします。そのため糖尿病にも効果的と言われています。

特徴的な味

特徴的なのは酸味です。サワー種を使われているため、特徴的なすっぱい味がします。これはライ麦の比率が多いパンの方が酸味が強く、小麦の多いパンは少なくなります。

ドイツ人は食べなれているので、この酸味が強く、ずっしり固めのパンが大好きですが、日本人には正直、好みの分かれる味かなと思います。

なぜライ麦の比率が多いと、酸味が強くなるのかと言うと、ライ麦はグルテンを形成しないので、イーストで発酵させることができません、その分サワードウを使用して膨らませます。そのため酸味も強くなります。

サワードウの起こし方に関してはこちらの記事を参照ください。

ライ麦パンにグルテンは含まれている?

何回か書いていますが、ライ麦粉ではグルテンは形成されません。ならグルテンアレルギーの方でも食べることができるかと言うと、残念ながらそうでもありません。

実は微量ではあるのですが、グルテンのもととなる成分が含まれているので、残念ながらグルテンフリーの食材に、ライ麦粉は含まれません。

グルテンアレルギーの方は注意が必要です。

motomoneのオススメレシピ3選

サワードウなし!・簡単ヴァイツェンミッシュブロート

難易度★★☆☆

通常サワードウを使用するところを、ヨーグルトで代用して作ったレシピです。簡単にドイツパンを味わいたい人にオススメです!かすかな酸味が程よく、食べやすいパンです。朝食やスープに合わせても美味しいですね。ブログ記事はこちらです。


サワードウから作る!ロゲンミッシュブロート

難易度★★★★

このレシピはライ麦粉の割合が多く、サワードウを最初から作って焼く、まさにドイツパンなレシピです。パンの工程自体に、特に難しいところはないのですが、サワードウの工程が時間がかかるうえに、失敗しやすいため、この難易度にしました。サワードウの起こし方に関してはこちらのブログ記事をご覧ください。


ライ麦100%の黒パン・プンパニッケル

難易度★★★★☆

プンパニッケルはドイツ・ヴェストファーレン州発祥のライ麦パンです。ライ麦100%で作る黒パンですね。このパン、実は本場では一晩オーブンで焼きます。なかなか家での再現が難しいパンなので、できるかぎり、家で再現できるようにレシピ開発しました。プンパニッケルと名乗るのは少し違う気もしますが、プンパニッケル風ドイツパンとしてお楽しみいただけたらと思います💦

食べ方

ライ麦パンは小さいパンではなく、大きめパンで、そこからスライスして食べる形がほとんどです。イメージとしては食パンです。またヒマワリの種や、かぼちゃの種などが入っている種類もあります。

スライスしたパンに、バターやクリームチーズを塗ったり、チーズやハムを挟んでサンドイッチにすることもよくあります。

一方で実は、ジャムやはちみつなどの、甘い味のジャムともよく合います。酸味と甘みで、よりライ麦パンの良さが引き立ちます。

まとめ

ライ麦は寒い土地でも育つ為、ドイツでは昔から栽培されており、長い歴史があります。そのため今でもドイツパンのかかせない食材の一つです。

正直に言うと、最初はクセのある味と食感で、好みが分かれるかもしれません。しかし、是非機会があれば、ライ麦粉の魅力をお試ししてみてください!

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