クーベルチュールチョコレートのテンパリングは難しい…
そう感じている方は多いのではないでしょうか。実際、チョコレートのテンパリングは温度管理がシビアで、慣れるまで失敗しやすい作業です。

僕自身も、ドイツでマイスター試験を受けるまでは自信が持てませんでした…
しかし、その後ショコラティエとして経験を積むことで安定してテンパリングができるようになりました!
ドイツでパティシエになりたい方はこちらをご覧ください。
この記事では、 テンパリングの基礎知識から具体的な温度表、失敗しない方法やコツ を徹底的に解説します!
<結論:テンパリングとは?>
チョコレート中のココアバターの結晶を理想的な状態に整える温度調整プロセス
なぜクーベルチュールチョコレートにテンパリングが必要なのか?
テンパリングは簡単に言えば、チョコレートを使用して作業するときに最適な温度に調節すること。これをするとしないでは大きな差が出てきます。
テンパリングを正しく行うと:
- 表面に美しいツヤ
- パキッと割れる心地よい食感
- なめらかな口どけ
- 白く粉をふかない安定した仕上がり
逆にテンパリングをしないと:
- 白っぽい斑点(ブルーム)
- ベタつき
- 鈍い口どけ
- 型離れの悪さ
こういった理由から、テンパリングは必須の工程と言えます。
チョコレートの種類別|テンパリング温度早見表
テンパリングにおける「溶解 → 冷却(結晶づくり) → 作業温度」の管理は、チョコレートの種類ごとに異なります。
種類 | 溶解温度 (完全に溶かす) | 冷却温度(結晶化) | 作業温度(仕上げ) |
---|---|---|---|
ビター | 45–50℃ | 27–28℃ | 31–32℃ |
ミルク | 40–45℃ | 26–27℃ | 29–30℃ |
ホワイト | 40–43℃ | 25–26℃ | 28–29℃ |

クーベルチュールチョコレートのテンパリングに必要な道具
テンパリングに絶対必要というわけではありませんが、適切な道具を使うことで成功率が大幅にアップします。

実際僕が使用している、オススメの道具をアマゾンで探してみました!
日本とドイツのリンクを用意したので、お住いの地域に合わせてご利用ください
スクレーパー
タブリール法を行う場合に必須
大理石の台
タブリール法を行う場合に必須
ヒートガン
細かい温度調整に便利
カード
仕上がりチェックに必要


スクレーパー
タブリール法を行う場合に必須

大理石の台
タブリール法を行う場合に必須

ヒートガン
細かい温度調整に便利

カード
仕上がりチェックに必要

テンパリングの方法|3つのやり方
ここでは3種類のテンパリング方法をご紹介します。利点と欠点についても書いています。
⚠️ 共通して絶対NGなのが「水分」。ほんの数滴でチョコが固まりザラつきます。すべての道具は完全に乾燥させてから使用しましょう
1. タブリール法(大理石台を使用)
- 溶かしたチョコの 2/3を大理石に流し、スクレーパーで冷却
- 適温まで下げたら、残りの1/3と合わせる
- 作業温度まで少し温めなおす
✅ 艶が良く、プロの仕上がりに
❌ 大理石台が必要、手際と経験が求められる

2. シード法(家庭におすすめ)
- クーベルチュールチョコレートを細かく刻む
- 全体の20%から30%の量は別にとっておき、残りを湯せんやレンジで溶かす
- 取っておいたチョコを少しずつ加えて結晶化温度まで下げる
- 最後に作業温度まで少し温め直す
✅ 家庭向き、道具が少なくて済む
❌ 冷却に時間がかかり、温度管理がややシビア

3. 電子レンジ法(少量向け)
- チョコの約1/4を残し、残りを50%出力で少しずつ加熱し混ぜる
- 最後に残りのチョコを加えて結晶化温度まで下げる
- 作業温度まで温め直す
✅ 手軽で後片付けが楽
❌ 焦げやすく、温度ムラが出やすい

テンパリングの仕上がりチェック
テンパリングが成功したかどうかは必ず確認しましょう。
- ナイフやカードに薄く塗る
- 室温20℃で3〜5分放置
- 均一に固まり、ツヤがあれば成功
仕上がりチェックをすることは、プロでも必須の工程です!忘れずに行うようにしましょう。
ありがちな失敗とリカバリー方法
- 白く曇る/斑点が出る → 作業温度が高すぎ/冷却不足。再テンパリングで解決。
- ザラザラする → 水分混入。カカオバターを少量加えると改善する場合あり。
- 艶が出ない → 結晶不足。シード追加、またはテンパリングからやり直す。
- 型離れが悪い → 注入時のチョコが熱すぎ。再テンパリングが必要。
FAQ-よくある質問-
- Qクーベルチュールチョコレートと普通のチョコレートの違いは何?
- A
クーベルチュールチョコレートは、ココアバター含有量が高く、口どけやツヤに優れています。そのためテンパリングが必要ですが、プロのショコラティエやパティシエが好んで使用するチョコレートです。市販の板チョコは植物油脂が多く含まれることが多く、テンパリング不要な代わりに風味や食感が劣ります。
- Qテンパリングは必ず必要?
- A
クーベルチュールチョコレートを使う場合、テンパリングはほぼ必須です。テンパリングをしないと、白い斑点(ブルーム)が出たり、ベタついたり、型から外れにくいといった失敗につながります。
ただし、植物油脂主体の「コーティングチョコレート」ならテンパリング不要で使えます。
- Q湯せんと電子レンジ、どちらがテンパリングに向いている?
- A
個人的には電子レンジで溶かすのが楽。ただし、電子レンジは焦げやすいため短時間ずつ加熱し、こまめに混ぜるのがコツです。
- Q初心者におすすめのテンパリング方法はどれ?
- A
家庭で挑戦するなら シード法 がおすすめ。道具が少なく済み、成功率も高めです。本格的に挑戦したい場合は タブリール法(大理石台を使用) を練習すると、よりプロの仕上がりに近づけます。
材料選びのヒント|チョコレートの違い
- クーベルチュールチョコレート
ココアバター含有量が高く、テンパリングに適したプロ仕様のチョコ。ボンボンショコラやチョコ細工に最適。 - コーティングチョコレート
植物油脂主体でテンパリング不要。ただし口どけは劣る。
ココアバターに関してはこちらを参考にしてください!
まとめ
クーベルチュールチョコレートのテンパリングは、最初は難しく感じるかもしれません。しかし、正しい温度管理と方法を覚えれば、自宅でも美しいツヤと心地よい食感のチョコレートを作れるようになります。
家庭なら シード法、本格的に取り組みたいなら タブリール法 を試してみましょう。レンジ法は量が少ない時にオススメ
クーベルチュールチョコレートのテンパリングの基本を押さえて、ぜひ美味しいボンボンショコラなどのチョコレート菓子作りを楽しんでください!
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