スポンジケーキにはベーキングパウダー、クッキーには重曹…。
同じ「ふくらし」の粉なのに、レシピによって指定が違うのはなぜなのでしょうか?
この記事では、
- ベーキングパウダーと重曹のしくみの違い
- 代用ができるケース/おすすめしないケース
- ドイツのパンとお菓子での具体的な使い分け例
- ラウゲンパン(プレッツェルなど)での重曹の特別な使い方
を整理していきます。
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ベーキングパウダーとベーキングソーダ(重曹)の基礎知識
焼き菓子のレシピに頻出する2種類の「ふくらし粉」。共通点と違いを整理します。

実は「ふくらし粉」という言葉は、子供の絵本で初めて知りました。
ベーキングパウダーのことだったんですね。絵本のパンケーキに使われていました笑
どちらも「炭酸ガスで生地をふくらませる」粉
- ベーキングパウダー:炭酸水素ナトリウム+酸性剤+コーンスターチからなる複合粉。水分または熱で反応し、縦方向にふんわり膨らむ。
- ベーキングソーダ(重曹):炭酸水素ナトリウムがほぼ100%。加熱と酸性材料の組み合わせでガスを発生させ、横方向に膨らむ傾向がある。
成分・働き・向いている生地が異なるため、原則としてレシピ通りに使い分けるのが正解です。
ベーキングパウダーの仕組みと特徴
3つの成分がそれぞれ役割を持っています。
- 炭酸水素ナトリウム(重曹):炭酸ガスを発生させてふくらませる。
- 酸性剤:酸との中和反応でガス発生を促進。同時に生地がアルカリ性になりすぎるのを抑え、苦みを防ぐ。
- コーンスターチ(遮断剤):保存中に粉同士が早期反応しないよう遮断する。
少量の水分でも反応が始まるため、混ぜたらなるべく早く焼成するのがポイントです。
マフィン・パウンドケーキ・スポンジなど、全体をふんわり均一に膨らませたいお菓子に向いています。

ベーキングソーダ(重曹)の仕組みと特徴
炭酸水素ナトリウム単体のため、加熱だけでも膨らみますが、酸性材料と組み合わせることで中和され、苦味を抑えつつ効率よくガスを発生させることができます。
よく組み合わせるのはヨーグルト・クワルク・酢・はちみつ・レモン汁などです。
- メイラード反応(褐色反応)が促進され、焼き色がしっかりつく
- 横方向に膨らみやすく、密度のある詰まった食感になる
- 過剰に入れると特有の苦みや匂いが残る
どら焼き・クッキー・ジンジャーブレッドなど、香ばしい焼き色や食感を活かしたいお菓子に向いています。

代用するときの目安と注意点
分量を調整すれば代用は可能です。
- ベーキングパウダー → 重曹で代用:約半量の重曹
- 重曹 → ベーキングパウダーで代用:約2倍量のベーキングパウダー
ただし、膨らみ方・焼き色・風味がすべて変わるため、再現性を重視するならレシピ通りが原則です。
特に重曹指定のレシピは酸とのバランスまで計算されていることが多く、安易な置き換えはおすすめしません。
ドイツでの販売形式
- ベーキングパウダー:
- Backpulver(バックプルバー)
- 小袋3〜6パックセット、0.59〜0.99ユーロ程度。
- 重曹:
- Natron(ナトロン)
- 50g前後の小袋で単品、0.80〜1.00ユーロ程度。
どちらもスーパーの製菓コーナーで手軽に入手できます。
なお、掃除用の重曹は食品用とは製造基準が異なるため、お菓子作りには必ず食用のものを使用してください。
ラウゲンパンと重曹:ドイツパンならではの使い方
重曹がもつ「アルカリ性」の性質は、ドイツパンの世界では「ふくらませる」以外の目的でも活躍します。
ラウゲン液とは?
ドイツ語の「Lauge(ラウゲ)」とはアルカリ溶液のことです。
プレッツェル・ラウゲンブロートヒェン・ラウゲンシュタンゲなど「ラウゲン系」のパンは、焼く前にこのアルカリ溶液に生地を浸すことで、独特の風味と色を生み出します。
ラウゲンパンのレシピは、こちらの記事でまとめてご紹介しています。
👉 [ラウゲンパンのレシピ一覧はこちら]
本場ドイツのパン屋では水酸化ナトリウム水溶液(pH13〜14)を使いますが、これは劇物に分類されるため家庭では扱いが難しいです。
そこで家庭では、重曹(Natron)を熱湯に溶かしたラウゲン液で代用します。
重曹液がパンにもたらす効果
重曹液に生地を浸すと、表面がアルカリ性になります。
これによって焼成中に次の変化が起きます。
- メイラード反応が促進され、深いこげ茶色のツヤある焼き色がつく
- 生地表面が固まり、外はパリッと、中はむぎゅっとした食感になる
- プレッツェルやラウゲンブロートヒェン特有の香ばしい風味が出る

重曹液をうまく使うための3つのポイント
- 液温を熱い温度をキープする
- 浸す時間を守る
- 重曹は必ず食用を使う
ラウゲンパンを重曹で作っていて、
「表面がカサつく」
「理想の茶色にならない」と感じたことはありませんか?
原因は配合ではありません。
👉「液温・浸水時間・投入タイミング」
この3つがズレているだけです。✔ 何度やっても同じ失敗になる
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それぞれを使い分けるレシピ4選
ベーキングパウダーを使うレシピ
ドイツの定番焼き菓子:ザントクーヘン

難易度★★☆☆☆
バターとたまごのシンプルな生地をベーキングパウダーでふんわりと仕上げる、ドイツの定番ケーキ。「砂のようなほろほろ食感」が特徴で、シンプルだからこそ材料の質と混ぜ方が仕上がりを左右します。
👉 ▶ 動画を見る(YouTube) / 📄 レシピ記事はこちら
ボウル1個でできる簡単シュトーレン

難易度★★☆☆☆
イースト発酵なしのシュトーレン。ベーキングパウダーで膨らみを補い、手軽に仕上げられます。
👉 ▶ 動画を見る(YouTube) / 📄 レシピ記事はこちら
ベーキングソーダ(重曹)を使うレシピ
ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家・ヘクセンハウス

難易度★★★★★
ジンジャーブレッド生地に重曹を使い、しっかりした焼き色と香ばしさを出します。丈夫な生地が必要なお菓子の家には重曹がぴったりです。
👉 ▶ 動画を見る(YouTube) / 📄 レシピ記事はこちら
ドイツパンと言えばこれ・プレッツェル

難易度★★★☆☆
重曹はラウゲン液として使用し、プレッツェル特有の色と香ばしさを引き出します。「ふくらませる」ためではなく「表面を仕上げる」という、重曹ならではの使い方です。
👉 ▶ 動画を見る(YouTube) / 📄 レシピ記事はこちら
まとめ:レシピ通りがいちばんの近道
ベーキングパウダーと重曹はどちらも「ふくらし粉」ですが、成分・膨らみ方・焼き色・香りがそれぞれ異なります。
代用は可能ですが仕上がりが変わるため、基本はレシピ通りに使うのが一番です。
ラウゲンパンでは「膨らませる」以外の目的で重曹を使う、というドイツパンならではの使い方が面白いポイントです。
重曹が登場したとき、「なぜここで重曹なのか?」と考えてみると、お菓子作りもパン作りも一段と楽しくなります。

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