マジパンの起源と発展
マジパンの起源は、アラビアや中東であると考えられています。それがアラブ商人によって、ヨーロッパにもたらされれ、有名になったようです。
マジパンが特に有名な地域はリューベックとクーニッヒスベルグ(現在はロシアのカリーニングラード)です。
この二つの都市はドイツの北に位置するバルト海(ドイツ語ではOstsee/オストゼー)に面していることから、港町として栄えていました。
当時そこには地中海地域から来る船にのせられたアーモンドや砂糖が運ばれてきました。

リューベックにはマジパン博物館もありますね!この博物館の名前にもある、Niddereggerは1800年代創業の、現在でも世界的に有名なマジパンメーカですね。
マジパンの原材料であるアーモンドと砂糖が非常に高価だっため、当時は王族や貴族だけが食べられる、特別なものだったようです。

薬剤師が薬として扱っていたという説もあるようです。僕の持っているドイツのパティシエの教科書にはそう記されていました。
その後、砂糖の生産量が増えて、価格が下がってくると、庶民にも徐々に親しまれるようになっていきます。
その頃から、ヨーロッパ各地で特別なケーキのデコレーションや、動物のフィギュアを作ったりと、今と似たような用途で使用されるようになっていき、現在に至るようです。

マジパンの砂糖の量
マジパンの品質に大きくかかわるのは、砂糖の量です。
一般的には砂糖の量が少なければ少ないほど、マジパンのクオリティーが良いとされています。
有名なリューベックのマジパンはローマッセ9に対し、砂糖1の割合で作られています。
他にもエーデルマジパンといわれる高品質なマジパンは7:3の割合です。
マジパンの品質は色でもわかります。良いものは薄い黄色のような色をしていて、砂糖の多いものは白っぽくなります。
リューベックのマジパンは非常に有名ですが、同じくらいにクー二ッヒスベルガーマジパン(Königsberger Marzipan)も有名です。
そちらはマジパンを少し焼いたり、あぶったりして焦げ色を出すのが特徴です。
アーモンドなし?ペルシパン
あまり一般的ではないですが、ペルシパン(Persipan)というものもあります。これはアーモンドではなく、杏や桃の種を使用して、作られたものです。
大きな利点として、コストの低さが挙げられます。あと焼いたときに味の変化が少ないです。そういう理由もあり、焼き菓子の原料として使われることが多いです。
あまりドイツのスーパーで見かける材料ではないですね。大量生産の製菓で使われることが多いようです。
欠点は、苦味が強く、風味、味がマジパンに比べると落ちることです。
他にもペルシパンとも違いますが、ピスタチオでできたマジパン、メキシコではかぼちゃの種のマジパン、といった種類もあるようです。
おうちで作れる簡単ローマッセ
・材料
70g | アーモンドプードル |
30g | 粉砂糖 |
5g | はちみつ |
数滴 | (ビターアーモンドエッセンス) |
小さじ1から2 | 水 |
・作り方
- 全ての材料をボウルに入れます、ビターアーモンドエッセンスは手に入らなければ入れなくてOK
- 手で全部混ざるまで捏ねます、水の量は様子を見ながら加減してください
このマジパンはシュトーレンの生地に入れたり、後述している、じゃがいも風マジパンなどにも使えます。
これはあくまでもお家で作れる代用品のレシピであって、マジパンとは異なります。
成形にも向かないので、気になる方はぜひ本物のマジパンと比べてみてください!
マジパンを使用したシュトーレンのレシピはこちら!
アーモンドプードルに関してはこちらの記事もご覧ください
まとめ
僕も個人的にはマジパンの味はあまり好みではありません。
しかしドイツでは本当によく使う食材です。例えばバウムクーヘンを作るときも、必ずと言っていいほどマジパンローマッセが使用されます。
新年にもマジパンを豚の形に成形したグリュックスシュバインが、スーパーやお菓子屋さんに所狭しと並びます。
ドイツでパティシエを勉強するときも、このマジパンの成形に関しては、試験の必須科目になる場合がほとんどです。
ぜひ機会があれば、お試しください!
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