ライ麦粉は、ドイツのパン文化に欠かせない重要な材料です。サワー種(サワードウ)と組み合わせて使われることが多く、小麦粉のパンに比べて重量感があり、どっしりとした食感と独特の酸味が特徴です。
<結論:ライ麦粉とは>
栄養価が高く、小麦粉と並んでドイツパン作りに欠かせない穀物のひとつ
言葉の意味
- Roggen(ロゲン):ライ麦
- Roggenmehl(ロゲンメール):ライ麦粉
ライ麦を主に使ったパンは、ドイツでは Schwarzbrot(シュヴァルツブロート)=黒パン と呼ばれます。
ライ麦の番号と種類
ドイツではライ麦粉にも番号があり、代表的なのは 997、1150、1370。
これは小麦粉と同じく「灰分量(ミネラル含有量)」を示しています。
ドイツの小麦粉の番号に関しては、ドイツ小麦粉物語【番号編】を参照してください。

使用方法とサワー種との関係
ライ麦粉には「アミラーゼ」という酵素が含まれ、でんぷんを分解する働きがあります。しかし、でんぷんが分解されすぎるとパンが膨らみにくくなるため、ライ麦パンは必ず サワー種(サワードウ) を使って仕込みます。
ドイツではライ麦100%というパンは実はあまりありません。ライ麦粉だけではグルテンを形成できず扱いにくいため、実際には小麦粉とブレンドして焼くのが一般的です。
パンの種類はライ麦の比率によって以下のように呼ばれます:
- Roggenbrot(ロゲンブロート):ライ麦90%以上、小麦10%以下
- Roggenmischbrot(ロゲンミッシュブロート):ライ麦50%以上90%未満
- Weizenmischbrot(ヴァイツェンミッシュブロート):ライ麦10%以上50%未満
- Weizenbrot(ヴァイツェンブロート):ライ麦10%以下、小麦90%以上
栄養価と健康効果
ライ麦粉には次のようなメリットがあります:
- 食物繊維が豊富 → 便秘解消・腸内環境を整える効果
- 噛み応えのあるパン → 満腹感が持続し、ダイエットにも効果的
- 血糖値の上昇を抑える → ライ麦パンは小麦パンより血糖値を緩やかに上げるため、糖尿病予防にも期待できる

ダイエットにもオススメのパンがあるなんて、嬉しい…!
特徴的な味わい
特徴的なのは酸味です。サワー種で発酵させるため、ライ麦比率が高いほど酸味が強くなります。

ドイツ人は食べなれているので、この酸味が強く、ずっしり固めのパンが大好きですが、日本人には正直、好みの分かれる味かなと思います。
なぜライ麦の比率が多いと、酸味が強くなるのかと言うと、ライ麦はグルテンを形成しないので、イーストで発酵させることができません、その分サワードウを使用して膨らませます。そのため酸味も強くなります。
サワードウの起こし方に関してはこちらの記事を参照ください。
ライ麦パンにグルテンは含まれている?
ライ麦粉自体は小麦のようにグルテンを形成できませんが、微量のグルテン成分は含まれています。そのため、完全な グルテンフリー食品ではありません。
👉 グルテンアレルギーの方は注意が必要です。
motomoneのオススメレシピ3選
サワードウなし!・簡単ヴァイツェンミッシュブロート
難易度★★☆☆☆
ヨーグルトでサワードウを代用。軽い酸味で食べやすく、初心者におすすめ
サワードウから作る!ロゲンミッシュブロート
難易度★★★★★
ライ麦粉多め&サワードウを一から起こす本格派。難易度は高いけれど、ドイツパンの醍醐味を味わえます
ライ麦100%の黒パン・プンパニッケル
難易度★★★★☆
ドイツ・ヴェストファーレン地方発祥。伝統的には一晩焼き上げるパンを、家庭で再現しやすいレシピにアレンジしました
美味しい食べ方
ライ麦パンは大きなサイズで焼かれることが多く、スライスして食べるのが基本です。
- ジャムやはちみつを合わせて酸味と甘みのバランスを楽しむ
- バターやクリームチーズを塗る
- チーズやハムを挟んでサンドイッチに

まとめ
ライ麦は寒冷地でも育つため、ドイツでは昔から栽培されてきました。現在もドイツパン文化を支える重要な穀物です。
最初は酸味や食感に驚くかもしれませんが、一度ハマると忘れられない味。ぜひ、ドイツの伝統的なライ麦粉パンを試してみてください!
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