今回ご紹介するのは、ドイツのソウルフードである「じゃがいも」を贅沢に練り込んだ、「カルトッフェルブロートヒェン(Kartoffelbrötchen)」です。
ドイツ語でKartoffelは「じゃがいも」、Brötchenは「小さなパン」を意味します。
このパンの真骨頂は、表面のカリッとしたハードな食感と、中の吸い付くような「究極のモチモチ感」。じゃがいものデンプンが生地の保水力を高め、噛むほどに優しい甘みが広がります。
本場の味を再現するため、今回はあえて時間をかける「中種法(一晩発酵)」を採用しました。一晩じっくりと熟成させることで、家庭のオーブンでも驚くほど深いコクと風味を引き出すことができます。

ドイツには3,000種類以上のパンが存在します。
代表的なパンについては、こちらの記事と動画で詳しく紹介しています。
おうちでのパン・お菓子作りをもっと楽しく! motomone bakingでは、クリエイター支援プラットフォーム「Gumroad(ガムロード)」にて、ドイツ本場のパンや伝統菓子を失敗せずに作るための「完全攻略ガイド(PDF版)」を販売しています!
ちょっとしたコツから、専門的な配合の秘密、材料換算表、タイムラインなど、失敗しないためのたくさんの「知識」を詰め込んだ内容になっています。ぜひショップを覗いてみてください。
※本ページはプロモーションが含まれています。
レシピ動画:motomone baking
YouTubeチャンネル <motomone baking> では、記事だけでは伝えきれない「生地の質感」や「手の動き」を詳しく解説しています。
「次はこれを作ってみたい!」というリクエストやご質問も、コメント欄でぜひお聞かせください。気に入っていただけたら、チャンネル登録で応援していただけると嬉しいです!
マイスターの材料帳
–1個あたり約50g(計11個分)–
【中種(Vorteig)】
- 全粒粉: 110g
- 水: 80ml
- ドライイースト: 1g
- 安定して膨らむ[赤サフ]を推奨します。
【マッシュポテト】
- じゃがいも: 1個(正味100g使用)
※130g程度のじゃがいもを茹で、マッシュした状態で100g量り取って使用します。
- 塩: ひとつまみ(茹でる用)
- 無塩バター: 5g
【本生地】
- 強力粉(または準強力粉): 180g
- 砂糖: 5g
- ドライイースト: 3g
- 水: 120ml
- 塩: 5g
じゃがいもパン作りで「よくある3つの失敗」
「モチモチ」が「ベチャベチャ」にならないために、必ずチェックしてほしいポイントです。
- 生地がベタついてまとまらない
- 主な原因: じゃがいもの「水分飛ばし」不足です。 茹でた後のじゃがいもには余分な水分が含まれています。
- 中種が酸っぱくなりすぎる、または膨らまない
- 主な原因: 一晩置く際の「室温管理」のミスです。 20℃前後の涼しい場所が理想です。夏場に常温で放置すると過発酵で酸味が出てしまい、逆に冬場に冷えすぎるとイーストが働かず、翌日の本生地の膨らみに悪影響を及ぼします。
- 表面がカリッとせず、全体的に柔らかいパンになる
- 主な原因: 焼成前の「霧吹き」忘れ、または「蒸気」の不足です。蒸気によって表面のデンプンが糊化し、その後乾燥することでハードなクラストが生まれます。
プロの理論や配合の秘密については、Gumroadのmotomoneショップにて様々なレシピガイドを公開しています。カルトッフェルブロートヒェン完全版も追加予定ですので、ぜひチェックしておいてください。
失敗を防ぐオススメの道具
カルトッフェルブロートヒェンを作る際に使用した、オススメの道具をご紹介します!現場の経験から「これがあれば失敗が劇的に減る」というものを厳選しました。以下のリンクから購入できます。
木目調デジタルスケール
理由: 動画でも使用しているこのスケールは、機能性はもちろん、キッチンに置くだけでモチベーションが上がるデザインも気に入っています。
👉 [精度とデザインを両立:愛用のデジタルスケールはこちら]
ポケットスケール
理由: パン作り、特にイーストや塩の計量は1g単位で計量するのが基本です。 0.1g単位で測れるスケールを使うだけで、失敗が減ります。
マッシャー(じゃがいも用)
理由: 茹でたてのじゃがいもを、熱いうちに一気に潰すことが重要です。マッシャーを使えば、短時間で均一なペースト状になり、バターもムラなく馴染みます。
スケッパー
理由: 手で触りすぎると生地を傷め、手にこびりついて作業が進めにくくなります。
【詳細解説】カルトッフェルブロートヒェンの作り方
じゃがいもがもたらす究極のモチモチ感を引き出すため、じっくり時間を使って作っていきます。なお、材料の分量や手順の要約をすぐに確認したい方は、記事の最後にあるレシピカードを活用してください。
1.中種作り
- ボウルに全粒粉とドライイーストを入れ、泡立て器で均一に混ぜます。水を加え、粉っぽさがなくなるまでゴムベラで合わせます。

- 布巾をかけ、室温(約20℃前後)で一晩(12〜16時間)じっくり発酵させます。
温度が高いと酸味が出すぎ、低いとイーストが働きません。20℃前後を保つのが、翌朝最高の状態にする秘訣です。
2.じゃがいもの下準備
- 皮をむいて細かく切ったじゃがいもを、塩を加えた熱湯で約10分、柔らかくなるまで煮ます。
- ザルにあけて湯切りした後、再び鍋に戻して弱火にかけます。ゴムベラで混ぜながら約2分間、水分を飛ばしてください。
- 正味100gを計量し、熱いうちにバターを加えてマッシャーで滑らかに潰します。
この「水分飛ばし」を怠ると生地がベタつき、失敗の原因になります。余ったじゃがいもはお料理に活用してくださいね。

3.生地作り
- 粉類(強力粉、イースト、砂糖)を混ぜたボウルに、中種、じゃがいも、水、塩を合わせます。
💡 ドイツ在住の方へ:小麦粉の番号(Type)の選び方は[こちらの記事]で詳しく解説しています。
- 台に取り出し、約7分間こねます。V字に伸ばして戻す動きを繰り返し、生地に弾力が出て、伸ばしても切れなくなれば完了です。


- 表面をツルンと丸め、ボウルに入れて布巾をかけ、室温で約40分休ませます。
4.分割・成形〜最終発酵
- 生地のガスを軽く抜き、スケッパーで分割します(50g×11個がおすすめ)。

- 手のひらの中で円を描くように転がし、表面を張らせるように丸めます。
- 打ち粉をした台に並べ、布巾をかけて20分休ませます。
- 天板に並べる際、生地を「裏返し(とじ目を上)」にして置きます。
- 全体に霧吹きをして、220℃で10分、その後200℃に下げて15分焼き上げます。

完成

ひと口噛みしめれば、じゃがいもがもたらす驚くほど豊かでモチモチとした弾力に、きっと驚きます。
キッチンで確認しながら作りたい方は、こちらのレシピカードをご活用ください。

レシピカード:カルトッフェルブロートヒェン
Ingredients
Method
- 全粒粉、水、少量のイーストを混ぜ、20℃前後の室温で12〜16時間じっくり発酵させる。
- 茹でたじゃがいもの水分を飛ばしてマッシュし、バターを混ぜて冷ましておく。
- 中種、マッシュポテト、本生地の材料を合わせ、弾力が出るまで約7分こねる。1次発酵(40分)。
- 50gずつ分割して丸め、20分置く。とじ目を上にして天板に並べ、220℃(スチームあり)で10分、その後200℃で15分焼き上げる。
まとめ・おすすめの関連記事
中種法で一晩じっくりと熟成させた生地は、粉本来の甘みとじゃがいもの優しい風味が溶け合い、噛むほどに深い余韻を残します。
もし今回の挑戦で、motomone bakingのレシピに興味を持っていただけたなら、ぜひYouTubeチャンネル「motomone baking」をチェックしてみてください。
さらに深い理論や、失敗しないための詳細な数値をまとめた「完全攻略PDFガイド(Gumroad)」もご用意しています。本場ドイツのパンやお菓子作りを、より本格的に作るお手伝いができれば嬉しいです。
カルトッフェルブロートヒェンを楽しんだ後は、さらに本場の食卓を覗いてみませんか?定番のプレッツェルからドイツパンらしいライ麦パンまで、ドイツの食事パン10選をご紹介します。
👉 [ドイツパンの世界・おすすめ食事パン10選はこちら]
次に挑戦してほしいドイツパンレシピ
焼き立てにバターやジャムをたっぷり塗るのはもちろん、温かいシチューやスープに添えれば、そこはもうドイツの家庭の食卓です。一度体験すると忘れられない味になるでしょう。

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