
ドイツでパン作り、お菓子作りがしたい!でもスーパーに行くとどれを選んだらいいかわからない…今回はドイツで販売されている小麦粉に書いてある番号の違いをこちらでご紹介します。
ドイツでは主食はパン。どのスーパーでも沢山売られています。また街中ではパン屋が日本のコンビニレベルで点在しています。
さらに小麦粉の歴史は古く、奥深い世界であり、種類も数えきれない程たくさんあります。そこでドイツ小麦粉物語と題し、連載することとしました。
今回は番号編です。
ドイツへご旅行・滞在経験をお持ちの方はよくご存知かと思いますが、ドイツのパンは…(個人的な感想です)

すごく重い。ズッシリ。固い。基本大きい。時々酸っぱいような種類もある。種たくさんついている。ふわふわしていない。食べてたら口の中の水分無くなる。

日本のパンは…小さくて食べやすい。焼きそばパンやメロンパンなど総菜・菓子パンの種類が多い。ふわふわしている。
もちろん、両方のパン文化に良いところと悪いところがあるかなと思います。
ドイツのパンは栄養素がたくさん含まれていたり、オーガニックの原材料にこだわっているのに安く買えたり、味も美味しい種類もたくさんあります。
日本のパンは、小さい割に値段が高すぎると感じますし、あまりにもフワフワすぎて満腹感が足りない感じがします。
つまり、国が変わるとその食文化、材料事情、嗜好も大きく変わります。
したがって、ドイツの小麦粉を使ってそのまま日本のレシピを元に自宅でパン作りをすると、実は食感や味が変わってしまい、失敗してしまう場合があります。
そこで今回は、ドイツ在住日本人の皆さんがご自宅でパン作りをする際に、どの小麦粉を使えばおいしい日本風の柔らかいパンができるのか、ご紹介します。
<結論>
ドイツでパン作りをするなら、番号405・550がオススメ!
では番号について、解説していきます。
番号

ドイツの小麦粉には番号が書かれています。スーパーで例を見てみましょう。

この番号ですが、簡単に言うとミネラルの含有量です。小麦から粉を製粉する過程で、
例えばですが100kgを小麦を900度で焼いています。その際、脂肪分やビタミンなどの栄養素が無くなるのですが、ミネラルは残ります。
その100kg焼いて残ったミネラルの量が、この番号になります。そのミネラルの含有量で食感も変わってきます。
(例)100kg焼いておよそ405gのミネラルが残ると、405番に分類されます。
出典元:Das Konditorbuch in Lernfeldern
スーパーでは一般的に、以下3種類の小麦粉が売られています。主な使用項目をまとめました。
| 番号 | 種類 | 使用用途 |
| 405 | 薄力粉 | ケーキ、クッキー、スコーン |
| 550 | 中力粉 | パン(クロワッサンなど軽い食感のパン)、パイ生地 |
| 1050 | 強力粉 | ハード系パン |
このように、番号によって作りたいレシピの小麦粉を使い分ける必要があるのことがわかります。
ちなみに、今回のこの記事では小麦に関してのみ、説明しています。ライ麦やスペルト小麦に関しては別の記事で説明しています。
栄養素
また製粉する過程で、どのくらい細かく砕いて製粉されるのかも、番号の違いに関係があります。
出典元:Das Konditorbuch in Lernfeldern
小麦粉は上の写真のように、小麦粉の中身自体と、外側の間に、いくつもの皮(Schale)があります。
実はこの中身と皮の間に、栄養素であるミネラルが含まれていると言われています。
そして小麦粉の番号が小さくなればなるほど、細かく砕かれています。
つまり、405ほどミネラルが少ない=栄養素が少ない、1050ほどミネラルが多い=栄養素が多い、という結論になります。
出典
今回の生地はこちらの本を参考にしました。ドイツでパティシエの修行をする際に使用した教科書です。また僕がマイスター制度を取得した話に関しても、今後ご紹介します。

ドイツでパティシエになる方法に関してはすでにまとめましたので、ぜひこちらもご覧ください!
番号編まとめ
今回はドイツで販売されている小麦粉の番号について、詳細をまとめてみました。
一番大事なことは、作りたいレシピに合わせて、粉の種類をきちんと使い分けることが大切です。

僕のレシピでは、405の薄力粉や、550の中力粉を使用することが多いです。
ドイツでお菓子やパン作りをする際にぜひお役立てください!



コメント
はじめまして
スイス在住28年、毎日のように台所に立ち、粉を使って色々作っている者です。
セルク型をドイツ語で何というのかを調べていたところ、この興味深いブログにたどりつきました。
ブログはとても丁寧にわかりやすく、日常の生活にも参考になることが書かれていて、普段は寝る時間なのですが、楽しくてついつい色々なページを読んでしまいました。楽しいブログをありがとうございます。また明日ブログを読ませていただきます。
このブログを読み、長年知りたかったドイツの粉の番号の意味が分かり、嬉しくて思わずコメントをしてしまいました。これから少しずつ3年半近くすでに投稿されているこのブログを読むのが楽しみです。ありごうございます。長文失礼しました。
はじめまして、コメントありがとうございます!僕たちのブログがお役に立ててうれしいです。最近はなかなか更新できない日が続いていますが、ぜひたまに覗いてみてください。
こんにちは。
インスタグラムで知り合ったミュンヘン在住のドイツの方(@moenchen_in_se_kitchen)にいろいろなパンのレシピを教えてもらい、またドイツで(あるいはインスタで?)著名なパン職人を紹介したりしてもらってます。
そんな中ジャガイモパンに興味が湧き、ドイツ語で書かれたレシピをチェックし翻訳してもなかなか実際がどういう工程なのかつかめないでいました。そこで別途ジャガイモパンで検索したところ、こちらでアップされているyoutube動画にたどり着きました。
以来このパンは結構作ってきていますが、なかなか上達しませんが好きなパンです。
小さな畑で野菜も作っていて、ジャガイモはまあまあ収穫出来ています。しかしなかなか消費が進まないのでジャガイモレシピを増やそうとしています。これからも記事楽しみにしています。
コメントありがとうございます!家庭菜園素敵ですね😊今後もドイツパンのレシピを更新する予定なので、ぜひ気になるレシピがあったらお試しください!
Motomoneさん、こんにちは。
Youtubeいつも楽しく拝見しています。
私はオーストリアに住んでいます。粉について質問がありコメント欄を拝借しています。
オーストリアにはタイプw480(薄力粉),w700(中力粉)のような区別とは別に粉の粗さでglatt,universal,griffigというのがあります。下記は大手粉屋さんのサイトです。
https://www.finis-feinstes.at/produkte/mehle/
どの粉が何に適しているかが書いてありますが、例えばツォップを焼くときglatt w700とuniversal w480で焼くのとではどのような特徴の違いが考えられますか?
私はずっとglattが薄力粉、universalが中力粉だと思っていたので、universalでパンを焼いていたんですが、w480だと知ったとたんに薄力粉なのに何でパンに使えるんだろう。。と疑問になりました。粉の粗さがたんぱく質量をカバーするのでしょうか?
Motoさんのレシピで作るときも映り込んでいる粉のタイプを見て405だからglatt(薄力粉)ね。って思って使ってましたが、よくよく考えたら我が家のglattはw700(中力粉)でした。。だったらuniversal w480で作ったら方がいいのかしら?
オーストリアに特化した内容で申し訳ないですが、ご教授いただけると幸いです。
これからも美味しいレシピ楽しみにしています。
ご返信が遅くなり本当にごめんなさい💦なぜか新しいコメントが表示されないバグがあったようで、せっかくいただいたご質問に気づくのが遅れてしまいました…本当にすみません!
しかも僕自身、オーストリアの粉事情には正直疎くて…。なので、いただいた情報を基に改めてしっかり調べてみました!
結論から言うと、質問者さんの認識は概ね合っていますし、ツォプフのようなパンを焼くなら、Glatt W700が正解です。
W番号はドイツのType番号と同じで、粉に含まれるミネラル(灰分)の量を示しており、これがタンパク質の量と関連しています。
GlattとUniversalと言う言葉がややこしいですが、W480は日本の薄力粉レベル(低タンパク)です。W700は日本の中力粉〜準強力粉レベル(中〜高タンパク)で、パン作りにはこちらが適しています。
薄力粉で使った場合、パサつきがつよくなったり、ふくらみが弱くなることがあります。なのでぜひGlatt w700で試してみてください!
ちなみに僕のツォップのレシピで、強力粉(Type 1050)と薄力粉(Type 405)を混ぜて紹介したのは、W700やType 550といった準強力粉が手に入りにくい環境での代用としてでした。
混乱させてしまい申し訳ありません。オーストリアで焼く場合は、混ぜる必要はなくW700を使ってOKです!
こんにちは。ご返信ありがとうございます。
色々調べて下さったみたいでお手数をおかけしました。
やはりドイツにはglattやuniversalという区別はないんですね。
ドイツのレシピでたまに(D type405,A W480)のように記載してくれる方がいるんですが、「W480? Glatt?Universal?どっち?」となったり、オーストリアのレシピでもglattとだけ記載がありWについては触れてないこともよくあります。
こちらの方は本当にみなさん自身でパンやケーキを焼くので長年の感覚でわかるのか、それとも細かいことは気にしないのか。。
次回のツォップはglatt W700で試してみます。
そろそろクリスマスクッキーの準備をしようとレシピチェックしていたところに、私の大好きなリンツァーアウゲン!
今年はmotomoneさんのレシピで焼いてみますね!
そうですね、ドイツにはそういう区別はないですね🤔
オーストリアでの経験がないので、なんとも言えませんが、ドイツでも感覚で使う粉を決めている人は多いような気がします笑
ぜひリンツァーアウゲンも試してみてください!このレシピはスパイスを効かせたレシピなので、クリスマスにもぴったりですね😊