カイザーシュマーレンはオーストリアや南ドイツ地域で有名な菓子・デザートです。ドイツ語読みだと実はカイザーシュマルンですが、日本語だとちょっと違う発音のようですね。
簡単に言うとスフレ風パンケーキなのですが、伝統的に切った状態で完成となります。実はその切り方も、フォークで割とぐちゃぐちゃ・引きちぎった状態になります。僕は一応包丁で切りましたが、不揃いな形にしました。
食べ方は、ベリー系やリンゴのコンポートを添えたり、生クリームを付けたりするのが、一般的です。温かいスイーツなので、冷めないうちに食べるのがポイント。
このスイーツの誕生には諸説ありますが、19世紀のオーストリア皇帝・ヨーゼフ一世とその妻・エリザベート(シシィ)が関係している、と言われています。
当時エリザベートは甘党でしたが、体重の増加を気にしていました。そこで料理人が作ったこのデザートを食べずに拒否します。
その様子を見たヨーゼフ一世が、どんなひどいデザートを作ったのだ、と激怒して実際にこのデザートを食べてみました。そうするとみるみるうちに完食し、エリザベートの分まで二人前たいらげてしまった、というエピソードです。
しかしデザート名は、カイザー(Kaiser)…皇帝、シュマルン(Schumarrn)…不要・不必要、を意味します。このようなエピソードから、不思議な名前となりました。
結果として、現在に至るまで愛されているオーストリアの名物菓子です。オーストリアのカフェやレストランではどこにでもあり、とても有名なデザートです。
<ポイント>
- 卵白をしっかり泡立てることで、フワフワで口の中でシュワっととろける食感になります。
- 今回はベリーのコンポートにしましたが、プラム、りんご、クランベリーなどもよく合います。
- 生地にラムレーズンを加えても美味しいのでオススメです。
材料
- ベリーのコンポート
70g | 冷凍ミックスベリー (新鮮なフルーツを使ってももちろんOK) |
20ml | 赤ワイン (ベリー系ジュースでも可) |
15g | グラニュー糖/砂糖 |
大さじ1 | 水 |
1/2 | シナモンスティック |
小さじ1 | レモン汁 |
- 生地
2個(40g) | 卵黄 |
3個(90g) | 卵白 |
30g | グラニュー糖/砂糖 |
75g | サワークリーム |
30g | 薄力粉(Mehl405)※ |
少々 | バニラオイル (バニラパウダーやバニラペーストも可) |
少々 | レモンの皮 |
- その他
適量 | 無塩バター |
適量 | グラニュー糖/砂糖 |
適量 | ブルーベリー |
適量 | ラズベリー |
適量 | ミント |
※小麦粉について、ドイツ在住者の方はコチラをご参照ください
- 17㎝×26cmのオーブン皿を使用
ご家庭にある耐熱容器で似たような大きさなら何でもOK
ベリーのコンポート
- グラニュー糖/砂糖、水、シナモンスティックを鍋に入れて、強めの中火で砂糖を溶かしていく
- 赤ワイン、冷凍ミックスベリーを加えて、弱火で3分程度混ぜながら煮る
- レモン汁を加えて混ぜる
- 室温で保管
使用するまでそのままにしておく
型の用意
- 型を無塩バターで塗る
- グラニュー糖/砂糖をのせて、型全体につくように、お皿を傾けて調整する
砂糖のつけ過ぎを防ぐために、テーブルの上にキッチンペーパーなどを敷き、型を裏返して、余分な砂糖を落とすようにする
後ほど生地を焼いて型から取り出す時に、はがれやすくなり、綺麗に取れます!
伝統的な方法としてはフライパンで焼くのが一般的です。しかし焦げやすい、生焼けになってしまう等失敗しやすいので、簡単にオーブン皿で作る方法をご紹介しています!
生地
- 卵3個用意し、卵白3個分、卵黄2個分で分けてボウルに入れる
- まずは卵黄の方から泡立てていきます。
卵黄のボウルにバニラオイル、レモンの皮をすりおろして加え、グラニュー糖/砂糖を15g(30gの半量)を加え、ハンドミキサーで泡立てる - 全体が混ざったら、サワークリームを加えてさらに混ぜる
- 全体が白っぽい色になったら、薄力粉をこして加える
- その後ゴムベラで混ぜ、粉っぽさが無くなってきたらOK
- 次に卵白を泡立ててメレンゲを作っていきます
卵白3個分が入ったボウルをハンドミキサーで混ぜる - 半量残しておいたグラニュー糖/砂糖(15g)を3回に分けて加える
一気に加えると泡がつぶれてしまうので、分けて入れましょう - メレンゲがピンと角が立つまで泡立てる
- 卵黄のボウルに、メレンゲを3回に分けて加える
ここも同様に、メレンゲを一気に加えるとふわふわ感がなくなるので、分けて加えます
1回目はゴムベラで全体をよく混ぜてOK。
2回目・3回目はメレンゲを加えたあと、下からすくうようにして、優しく混ぜていきます。そうすると、ふんわり、フワフワの食感になります!
- 全体がよく混ざったら、用意しておいた型にゴムベラで流し込む
生地が平らにするように意識すればOK。焼くので、完璧に平らにしなくても大丈夫です。
- 約18分焼く
※型の大きさによって焼き時間は変わります!
火が通っているか、焼いた後に竹串を真ん中あたりにさして、生地がくっついてこないか、確認しましょう。
仕上げ
- 焼きあがったら、温かいうちの型から生地を取り外し、クッキングシートにのせる
熱い型に入れっぱなしだと生地が乾燥をしてしまうので、すぐに取り外します!ヤケドに注意しながら行いましょう
- 生地を包丁で切る
伝統的に均等の大きさではなく、不揃いにして切っていくのがポイントです
- お皿に盛り付ける
僕の方法をご紹介しますが、お好きなように盛り付けてOKです!
完成
オーストリアのスフレ風パンケーキのご紹介でした!ぜひご自宅でオーストリア気分をお楽しみください!
コメント