ドイツのクリスマスシーズンに欠かせない、伝統菓子・「シュトーレン(Stollen)」。日本でもすっかりお馴染みになりましたね。日本でも普及しているとは言え、あまり歴史や種類、背景に関して知っている人はそういないのではないでしょうか?
「シュトーレンって、ずっしりしててドライフルーツがいっぱいのパン?」 「クリスマスまで少しずつ食べるって聞くけど、なんで?」 「色々な種類があるみたいだけど、何が違うの?」
そんなシュトーレンの魅力を、その歴史や定番の種類、そしてお家で挑戦できる、motomoneおすすめのレシピまで、詳しくご紹介します!
<結論:シュトーレンとは?>
アドベント期間に少しずつ食べるドイツ・ドレスデン発祥の焼き菓子
シュトーレンとは?
シュトーレンは、ドイツのザクセン州ドレスデン発祥とされる、伝統的なクリスマスの発酵菓子です。

現在でもたくさんのシュトーレンが売られていますが、ドレスデン産のものは特別です!
生地にはバターがたっぷり使われ、レーズンやレモンピール、オレンジピールといったドライフルーツ、アーモンドなどのナッツ類がふんだんに練り込まれています。
焼き上げた後、溶かしバターをたっぷりと染み込ませ、仕上げに粉砂糖をこれでもかというほど真っ白にまぶすのが特徴です。
ドイツでは、クリスマスを待つ「アドベント」(クリスマスの4週間前の日曜日から始まる期間)に、このシュトーレンを薄くスライスして、毎日少しずつ食べ進める習慣があります。
作ってすぐよりも、時間が経つにつれて生地にバターやフルーツの風味が移り、味がなじんで熟成されていく…。その味わいの変化を楽しみながら、クリスマス当日を心待ちにするのがドイツ流ですね。
シュトーレンの歴史
シュトーレンの歴史は古く、14世紀まで遡ります。
その原型は、1329年にナウムブルクの司教へクリスマスの贈り物として献上された記録が残っているそうですが、当時は乳製品は、宗教上決まった期間しか食されることがなく、当時は乳製品を使わない、とても質素なものでした。
転機が訪れたのは15世紀。 当時のザクセン選帝侯らがローマ教皇にバターの使用許可を嘆願し、1491年に「Butterbrief」と呼ばれる許可状が出されます。これにより、バターを使ったリッチなシュトーレンが作られるようになり、現在の形に近づいていきました。
ちなみに、シュトーレンのあの独特な形は、はっきりとはしていないようですが「おくるみに包まれた幼子イエス・キリスト」を象徴しているという説が有力です。また、真っ白な粉砂糖は、イエスの産着や雪を表していると言われています。
シュトーレンと言う言葉は、ドイツ語では「Stollen(シュトレン)」と発音し、「坑道(こうどう)」や「地下道」の意味があります。名前の由来は、見た目がトンネルの形に似ていることからきているみたいですね。
オススメの道具・材料
シュトーレンを作る際に使用する、オススメの道具や材料を紹介します。以下のAmazonリンクから購入できます。
ハンドミキサー:パンこね用の羽根つき

麺棒:シュトーレンの成形に必要です。個人的には使いやすい形をしています🤔

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シュトーレンの種類とオススメレシピ
1. クリストシュトレン (Christstollen)
最も伝統的で代表的なシュトーレン。「クリスト=キリスト」の名を冠しています。
特に有名なのが「ドレスドナー・クリストシュトレン(Dresdner Christstollen)」です。
ドレスドナー・クリストシュトレンは、ドイツ・ザクセン州の州都ドレスデン、およびその近郊で製造されたシュトーレンのみが名乗ることを許された、地理的表示保護(EUの品質認証)を受けているブランドシュトーレンですね。
シャンパン(シャンパーニュ地方)と同じように、その土地で伝統的な製法を守って作られたものだけが、その名を冠することができる、元祖シュトーレンです。
詳しいレシピはコチラ!
2.マンデルシュトレン (Mandelstollen)
マンデルはアーモンドを意味し、その名の通り、アーモンドプードルやスライスアーモンドをふんだんに使用したシュトーレンです。ナッツの香ばしさが際立ちます。レーズンが入らないことも多いですね。
3. マルジパンシュトレン (Marzipanstollen)
生地の中心に「マジパン(アーモンドと砂糖を練ったお菓子)」の棒を丸ごと入れて焼き上げたもの。アーモンドの風味がより強く感じられ、甘みとしっとり感が増します。
マジパンに関してはこちらをご覧ください!詳しいレシピはコチラです。
4. モーンシュトレン (Mohnstollen)
モーンはケシの実と言う意味です。生地でケシの実のペーストを巻き込んでいるのが特徴で、カットした断面が渦巻き状になっています。プチプチとした食感と独特の香ばしさが人気です。
このレシピでは、パウンドケーキ型を使用して焼いています。詳しいレシピはコチラです。
5. ヌスシュトーレン
モーンシュトーレンと似ていますが、こちらはナッツのフィリングの入った、香ばしいシュトーレンです。
6. クワルクシュトレン (Quarkstollen)
生地に「クワルク(Quark)」というドイツのフレッシュチーズ(ヨーグルトとクリームチーズの中間のようなもの)を練り込んだタイプ。べーキングパウダーで発酵なしに手軽に作れるタイプが多いですね。
7. シュトレンコンフェクト(Stollenkonfekt)
一口サイズのちいさなシュトーレンです。食べやすいサイズですね。成形も簡単で、クッキー缶に入れたりするのにオススメです。
詳しいレシピはコチラで紹介しています。
シュトーレンの美味しい食べ方と保存
- 食べ方: クリスマスまで、毎日1cm弱ほどの薄切りにして少しずつ楽しみます。 真ん中からスライスし、残った両端をぴったりと合わせて保存すると、切り口の乾燥を防げます。
- 飲み物: コーヒーや紅茶はもちろん、ドイツでは「グリューワイン(Glühwein)」という温かいスパイス入りワインと一緒に楽しむのが定番です。
- 保存方法: 上記レシピの通り、ラップとアルミホイルでしっかり包み、乾燥と光を避けて**冷暗所(涼しい常温)**で保存します。冷蔵庫に入れるとバターが固まり、生地がパサついてしまうことがあるので避けましょう。 (ただし、室温が高くなる場合は野菜室などが適している場合もあります)
まとめ
奥深い歴史と、クリスマスを待つワクワク感が詰まったドイツの伝統菓子「シュトーレン」。
今年は定番の味を楽しむのもよし、色々な種類を食べ比べてみるのもよし、そして思い切って手作りに挑戦してみるのも素敵ですね。
シュトーレンの熟成とともに深まる味わいを楽しみながら、素敵なアドベント期間、そしてクリスマスをお迎えください!
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